① 天地は、照りのある京紫(きょうむらさき)色の本絹糸を織り込み、大輪の菊花連続紋が煌めくも、清楚で品が有る裂地かと。 ② 中廻しは、上品な錆御納戸(さびおなんど)色地に、小花連続蔓紋が縦縞に置かれた見事な裂地なれど、落ち着いた雰囲気がございます。 ③ 一文字と風袋は、空五倍子色(うつぶしいろ)と、樺茶色(かばちゃいろ)の茶系二色明暗色で団花紋を散りばめた筆者初見の見事な裂地です。本紙絹本着色作品と妙にマッチングしており、全体を引き締めております。 ④ 軸先は、朱漆の重ね塗りの上花紋様を彫り出した塗軸です。時代品にて傷みが生じています。 ⑤ 桐箱は、ご覧の通り蓋式で時代色を帯びていますが、しっかりとしております。
他にも多数出品中です
ぜひご覧下さい
↓
※その他の出品作品は上記をクリックしてください
【近代絵画】下村観山「維摩居士像」肉筆 絹本 着色 掛軸◆三段表装 明治末期作 美術館品に類似 印譜&美術館品比較等詳細画像有◆y629
【本作品について】
1.本作品は、近代日本画作家で日本美術院創立に参加した大家・下村観山が、絹本に著色で描かれし「維摩居士(ゆいまごじ)像」です。
製作時期を類推すると、他の同類例図との比較(掲出比較画像参照)では、概ね明治末期の30代後半頃の作と思われしこと。この当時の日本画家らは歴史画全盛でしのぎを削りし時期にて、中国偉人の人物画も盛んな頃かと。
2.「維摩居士(ゆいまごじ)」とは、大乗仏教の一経典「維摩詰所説経(クマーラジーバ訳,略称《維摩経》」の中で中心となって活躍する居士の名です。〈維摩〉は〈維摩詰〉の略名ですi。同経の別訳(玄奘訳)が「無垢(むく)称」と訳しているように「無垢という評判をとった(人)」という意味で,「浄名(じようみよう)」とも訳されます。この人物は,経典中では仏在世当時,リッチャビー(離車)族の都市国家バイシャーリー(毘舎離)出身です。
さて居士仏教の時代に至ると,居士仏教は在家仏教とほぼ同じ意とみなされますがそれでもやはり,居士は知識のある指導者的在家の意味あいが深い立ち位置でした。そして大乗経典の中で居士として有名な人物は維摩経の主人公の維摩(ゆいま)であり、釈尊の直弟子の著名な出家者たちが,在家の維摩居士により空の立場から痛烈な批判を浴びるという内容の話しが有名です。
3.下記2点の同題及び類図の美術館品と、1点のなんでも鑑定団品の類図との比較を試みました。比較画像ご覧の通り、観山の独創的なれども対象人物の精神性がリアリテイを帯びて迫る人物描写には、多くの共通点が見い出せしことかと。
① 下村観山「維摩居士ゆいまごじ像」横浜美術館所蔵
② 下村観山「寿老人」野間記念館所蔵
③ 「なんでも鑑定団」下村観山作品と鑑定結果
4.本作品落款「観山」の筆跡は、日本書画鑑定大事典第2巻186頁所載「下村観山落款筆跡資料」との比較では特徴的な筆癖が一致と認められます(掲出比較画像参照)。
5.本作品に捺す2つの二字朱文方印の内、上に捺す印資料は見当たりませんでしたが、下に捺す「寒山」号印は、日本書画鑑定大事典第2巻187頁所載「下村観山印譜集」との比較では、ご覧の通り一致と認められます。併し乍ら未鑑定品ですので、ヤフオク規定に従い模写品として出品のことご了承願いたし。
6.本作品の表具は、深みある三種類の裂地で見事な三段表装に仕立てられております。すなわち;
① 天地は、照りのある京紫(きょうむらさき)色の本絹糸を織り込み、大輪の菊花連続紋が煌めくも、清楚で品が有る裂地かと。
② 中廻しは、上品な錆御納戸(さびおなんど)色地に、小花連続蔓紋が縦縞に置かれた見事な裂地なれど、落ち着いた雰囲気がございます。
③ 一文字と風袋は、空五倍子色(うつぶしいろ)と、樺茶色(かばちゃいろ)の茶系二色明暗色で団花紋を散りばめた筆者初見の見事な裂地です。本紙絹本着色作品と妙にマッチングしており、全体を引き締めております。
④ 軸先は、朱漆の重ね塗りの上花紋様を彫り出した塗軸です。時代品にて傷みが生じています。
⑤ 桐箱は、ご覧の通り蓋式で時代色を帯びていますが、しっかりとしております。
7.コンディションは、ヤケ、微シミ、表具浮き、軸塗ハゲ、軸巻テープ補修あり、時代品としては致し方なきも、このままでも展覧映え致しますが、時期を見て再表装をお奨め致します。
【略歴】
下村観山 しもむら-かんざん
1873-1930 明治-昭和時代前期の日本画家。
明治6年4月10日生まれ。狩野芳崖(かのう-ほうがい),橋本雅邦(がほう)にまなぶ。明治27年母校東京美術学校(現東京芸大)助教授。31年辞任し,日本美術院創立に参加。36年ヨーロッパに留学。40年文展の審査員をつとめ,「木の間の秋」を出品。大正3年横山大観らと日本美術院を再興した。昭和5年5月10日死去。58歳。和歌山県出身。本名は晴三郎。作品に「白狐」「弱法師(よろぼし)」など。
【内容】
肉筆 絹本 着色 掛軸
全体:203 x 57 ㎝ / 本紙:111.8 x 42.1 ㎝
【状態】
ヤケ 小シミ 浮き 表具にイタミ
※くれぐれも画像にて詳細をご確認頂き
ご納得された上でご入札頂きますよう宜しくお願い申し上げます
【発送について】
ゆうパックの【送料着払便】にて送付いたします
※元払発送による過剰な送料請求を避けるため、送料は着払でお願いしています 。
※落札価格が1点で50万円(税抜)を超える場合、御礼の気持も含めまして送料を≪日本全国完全無料≫とさせて頂きます (160サイズ以下での発送に限る)。
【絵画の出品に関するルール】
【真作】
本物であると断定できる作品
【模写】
・わずかでも真作ではないと疑いのある作品
・作者不明の作品
・所定の鑑定機関の無い作品
上記および「真作」と明記していないものは真贋について当方では不明=
最終判定保留の作品ですので全て模写といたします。
商品タイトルや商品説明に【真作】と明記のある作品につきまして
公定鑑定人、あるいは公定鑑定機関で、真作でないという判断がなされた場合は
下記に基づき落札代金を返済の上、返品に応じます
(但し、画廊等・美術商・第三者・自称目利きの方などの非正規鑑定は保証対象外と致します)
商品タイトルや商品説明に真作とあるものについて
鑑定を行う場合は、商品落札日から5日間の間に鑑定する旨をご連絡ください
5日間の間にご連絡の無い場合は保証対象外となりますので特にご注意ください
ご連絡頂いた商品については
鑑定に要する日数及び保証期間の日数を
最長60日間までとさせて頂きます
その場合、所定鑑定人など責任ある専門鑑定機関の鑑定書か鑑定領収書をご提出下さい
※鑑定費用、交通費、諸経費(振込手数料・送料・返品時送料等など)につきましては
落札者様ご自身のご負担になりますのでご了承下さい
尚、ご返品頂いた作品の状態を確認致しました後に、落札代金をご返金させて頂きます
鑑定を希望される方は、ご自身でのお手続きをお願い致します。鑑定代行は致しません
オークションの性質上、誤入札の取り消し・キャンセル・返品は一切お受け致しかねます
正当な理由なくキャンセルを希望される場合は
落札代金の30%をお支払い頂ける場合に限りお受け致します
【注意事項】
・商品やお取引に関してご不明な点がありましたらお気軽にご質問ください
・終了時間間際のご質問はお答えできない可能性がありますのでご了承ください
・新規、悪い評価が多い方はご入札を取り消す場合もございますので、予めご了承ください
・商品は特に明記のない限り基本的には骨董品・美術品と言った古い物、品です
・説明・写真等をよくご覧になった上でご判断頂き、御入札をお願い致します
・状態説明に関しましては常々分かりやすい記載に努めていますが、
時代を経た骨董品・美術品という性格上、
言葉では説明しきれない時代の擦れや古格等も当然ございます
そういった骨董・美術品への理解・造詣をお持ちの方のご入札をお願いします。
・サイズは出来る限り正確に測っておりますが、多少の誤差が生じる場合が御座います
・PC環境により色など実物と多少誤差が生じる場合があることを予めご了承ください
・トラブルを避ける為、質問がございましたら 必ず入札前にお願い致します
評価に関しては頂いた方にのみお返しさせて頂きます。ご了承下さいませ。
【ご同意事項】
入札、ご落札の際には上記事項に全てご同意いただいているものとさせていただきます。
ヤフオクを世界へ - Japan Auctions to the World